背伸びできて嬉しい

「人間は、わかろうと背伸びしてわからないことを咀嚼するなかでしかものごとをわかるようにはならないってところがある。そういう背伸びを拒絶するようになったら、人間はもうおしまいなんですよ」。

そして、みんなバカになった 橋本治

 

木曜の日経新聞の夕刊の文化欄の目利きが選ぶ3冊に出ていた一冊。戦前のインタビュー7本が収録されているらしい。早速アマゾンで買ったけれどまだ届いていない。Kindleにすればよかったかしらん。橋本治はほぼ日の学校のごくごく飲む古典の講師で登場。現在古典を勉強中でマルクス資本論とビーター・ブルックの何もない空間を併読中で苦労している身には嬉しいお言葉。

 

背伸びしてこういう本を読み始めるきっかけは高校時代の新書だと思う。なんとなく面白そうと思って読み始めるのだれど難しくて頭に全然入ってこない。でも無視して読み進めると後の方のページで、ああ、あの時はこういうことを言っていたのかと合点がいくことがたまに(本当に稀だけど)ある。そういうことを繰り返しているととりあえず難しい本も読める。これが教科書とかなら何度か読み返して理解を深めるのかもしれないけれで、そうでない場合は私は読み難い本を自分が読み続けるための耐性を高めるためと理解している。去年から資本論をひょんなことから読み始めまだ第4巻で半分にも到達していないという遅々たるペースで読み進めているけれど、これを読んでいて高校時代の耐性のトレーニングということを思い出した。

 

そっか、人間としてまだまだだから背伸びしているんだ。わあい!